クリント・イーストウッドの「運び屋」を見ました。
ニューヨークタイムズの別冊に掲載されたニュース「87歳の麻薬運び屋」という実話をベースにした映画で、80代のイーストウッドが監督・主演。テーマは「グラン トリノ」と通底しています、今作は軽やかなコメディですごく楽しいです。

仕事と女遊びばかりしていて家族をないがしろにした男が、外ではちやほやされるけれど家族とは断絶(当然と言えば当然)、晩年は仕事も上手くいかなくてお金に困り運び屋に。しかし根っからの社交的な性格でギャングとも心を通わせ、普通の人なら緊張する運搬の道中もプチ旅行気分。周囲もそんな老人が運び屋とは思わないから、検問もパスしやすい。しかしあまりの大量売買に警察が目を光らせはじめて…
個人的にはこんな人が身近にいたらふざけるなと思いますし、年をとっても抜けない遊び人独特のチャラっと甘い感じがすごく嫌いなのですが(笑)それをさらりと演じるイーストウッドはさすがです。伊達にむちゃくちゃな人生を生きていませんね。監督作が毎回毎回面白いので、これが遺作にならないことを祈っています。

原題はThe Runner かと思ったらThe Mule でした。運び屋であり頑固者、と。
https://eiga.com/movie/90319/