そうこうしているとトイレットペーパーをいくつも抱えたBくんが来ました。
バス講習の帰りにホステルの備品を買ってきたんですね。
「久しぶり!! 2人はコロナの後に来た、はじめての日本人だよ」
Bくんは笑いながら話していますが、旅行客相手のこの仕事で日本人はもとより外国人全般が来なくなり、本当に大変だったでしょう。
最近やっとマレーシア人が来てくれて嬉しかったとのこと…。
Jちゃんが英語で「外国人はほぼゼロでしたが、台湾人が何度も泊まりに来てくれたりして助けてくれました」と教えてくれました。
ありまさがコロナ禍で通常営業できないとき、常連さんたちがお弁当を買って助けてくださったことを思い出します。
Lentoもありまさも、緊急事態の前にお客様とのつながりがあったから、よいお客様に恵まれたから生き延びることが出来たんですね。
お客様って本当に有難いね。お互い、こうして会えて良かったね…
Lentoの経営は順調で、どうやらBくんはバスの運転手さんになるわけではないようです。
「とにかく新しいことに挑戦したいんだ!」
それがなぜバスの運転なのかは不明ですが、30代の元気盛りは人生の幅をせっせと広げている最中のようでした。
 
ここからは英語NGのBくんがいることから中国語でのやりとりがメインになり、私は中単語を拾ってなんとなく話題についていこうとしますがすぐに挫折し、眠気にも負け、彼らが何を話していたのかよく覚えていません。
ただ途中で一度、夫が
「今ね、阿里山に行こうって話になったよ。俺がいつか行ってみたいって言ったら、『台湾には今やらなければ一生やらない、って言葉があるよ。すぐ行こう』だって。いいよね?! 明後日の早朝に車を出してくれるって」
ここからどれくらいかかるのかしら? でもまあ、車で行ける距離なら構いません。

阿里山は台湾ウーロン茶の産地としてもでも有名で、美味しいお茶が飲めるかも、と思うと心がときめきます。私はカフェイン中毒っぽいところがあり、美味しいお茶に目が無いのです。

夫はすかさず中国語会話に戻り、話題はすでに阿里山から遠く離れているようですが、私は
「今やらなければ一生やらない」
が心に残りました。
英語の言い回しにも
It’s now or never.
というのがあります。日本語訳は「今でしょ?!」かな?
古今東西、ちょっと面倒なことを先送りする人が後を絶たず、というかほとんどの人にその傾向があり、大事なことを後回しにしては後で歯噛みした人たちが山のようにいた。
いやね、いつかやろうとは思っていたんですけどね…
ですよね…
中国語でも英語でも、みんなこう思っていたはずで(喫煙所的連帯感)、だから上記のような忠告的な言い回しがあちこちに残っているのでしょう。
一方でBくんはうーん…と思うより先に行動する性質です。だから夢中で私達を追いかけてくれて、それで友達になれた。
夫も「まあとりあえず行ってみよう、よく分からないけどやってみよう」の精神があり、二人とも落ち着きはないけれど、そういう後悔は少なそうです。

私は苦い悔恨、心残りや悔いがそれほど悪いものだとは思いませんが、とはいえとりあえず動くというのは大事だなと、Bくん(と夫)を改めて尊敬しました。

そうこうするうちに部屋の用意が出来たので部屋に移りました。
このホステルはいろいろなタイプの部屋があるのですが、今回はテレビのない静かなスペース。いい感じです。
着替えると、私はすぐ就寝。
清潔なベッドって本当にありがたい…。
夫は
「俺は散歩して写真撮ってくる! 君が食べるものも何か買ってくるから」
あーはいはい、そういえばあなたの座右の銘は「寝てるのは死んでるのと一緒」でしたね。
寝ているのは死んでいるわけではないので明らかに間違った人生観だと思いますし、どう考えても少し休んだ方がいいとは思いますが、
とにかく今は台南の街に飛び込んで台南の空気を胸いっぱい吸い込みたいんですよね。
カメラを持つと夫は元気に飛び出していき、それと同時に私は気を失いました。
 
…何時間経ったでしょう。
窓の外は夕方の気配です。

 
何時間遊んでいるのでしょう。
再び寝ます。
しばらくすると夫が食べ物を買って帰ってきました。

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「これは夜食だから今もりもり食べないでね。これから夕食を食べに近所の担仔麺の店に行くよ、リベンジだよ」
担仔麺(たんつーめん)は台南名物で、細目のストレート麺に豚のそぼろ肉、海老、味付け卵、野菜が入っています。辛くはありません。
 
前回 担仔麺で有名店に行きましたが、「うーーむ。これを作った人は何か悩み事でもあって手順を間違えたのだろうか??」という味だったので、今回はリベンジです。
ホステルのすぐ近く、地元の人のおすすめの店に行きました。
スタッフの方の手際がいいですね。

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あ、これは…

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美味しい!
全体にやさしい味だけれど、お肉も海老も1つ1つの味付けはしっかり個性があって、それらが仲良く合唱しているような、和やかな気持になる逸品。
大当たりです!!
ご馳走様でした。

■まとめ
日本でもそうですが台湾でも
有名店=美味しい
わけではありません。ガイドブックの情報も参考程度だと思います。
分かりやすい指標としては
☆地元の人で混んでいること
食べることの好きな台湾人は美味しい店なら多少並んででも、そこに行きます。

たまに行列が出来ている店なのに美味しくないことがありますが(私達も経験しました…)、よく見ると地元民でなく観光客が行列しているのです。
自分達も含めて観光客はあてになりません。情報量の圧倒的な地元民の動向をチェックするのが鍵です。
あとスタッフさんが丁寧に仕事をしているかどうか、調理の環境が清潔かも味に直結しています。
台湾は厨房の様子がうかがえることが多いので、しばらく観察していると様々なことが読み取れます。

コロナとは関係なく、台湾はもともとテイクアウトの文化があるので対応してくれる店が多いです。
ノートに
我要外帶
と書いておくと便利。
店内で食べることは
我要内用
です(^_-)-☆